第7話 5ひきの仔豚と狼の食った・眠った・遊んだ(1/4回)
ばぶさん童話 新シリーズ『5ひきの仔豚とオオカミ』集より
創作メモ ◆5ひきの仔豚と狼の名前と性格
長男ぶた……ブァ太郎・・・のんびり屋・気は優しい・まとめ役
二男ぶた……ブィ次郎・・・めざとい・アイデアマン
三男ぶた……ブゥ三郎・・・理屈っぽい・思慮深い
四男ぶた……ブェ四朗・・・ちょっとあまえんぼ・まけずぎらい
末妹ぶた……ブウ子・・・・しっかりもの、がんばりや
オオカミ……のうてんき、ばかちから、いつでもポジティブ、
焼イモ大会の朝
昨日のことです。
狼さんのところに手紙が一通届きました。
「おおかみさんげんきですか。ぼくたちはげんきです。
あしたのおひるに、やきいもたいかいをするので、
ごしょうたいします。5ひきのこぶたより」
その晩、狼は嬉しくて眠れませんでした。
「でへぇ。焼き芋大会だってよ。
おいら焼き芋大好きな変な狼だもんね。」
「焼き芋かぁ。しばらく食ってなかったなぁ。
やきいもねぇ。や・き・い・も。」
「なんてったって、焼き立てのあっちっちが
これまたたまらなく旨いんだよなぁ」
狼は嬉しくって思わず鼻歌を歌いました。
♪ やっきいも やっきいも
おなかが ぱぁ ・・・あれ?ちがったかな。
やっきいも やっきいも
おなかが ・・・おなかが・・・
その時狼のおなかが『ぐぅ~』と鳴りました。
「あっそうか、思い出したぞ。
♪ やっきいも やっきいも
おなかが 「ぐぅ~ 」だ
♪ はらへって はらへって へろへろへ~
・・・あれ?ちょっとばっか歌詞がちがうかなぁ?まっ いいか」
「もう寝なくっちゃ。ねなくっちゃ。」
「ひつじがいっぴき、
ひつじがにひき、
ひつじがやきいも」
あっちにゴロリ、
こっちにゴロリと何度も寝がえりを打ちました。
「ひつじがにじゅうろっぴき、
ひつじがにじゅうななひき
ひつじがにじゅうはっぴき・・・」
ごろりごろりと寝返りしているうちに
とうとう朝になりました。
「わーい朝だ、あさだ、あさだ。
焼イモ大会のあ・さ・だぁー。」
と狼は昇ってくる朝日に向かって
「きをつけ~」と自分に号令しました。
「せなかー、ぴん・しゃん。」
背筋をしゃんと伸ばし深々とお辞儀を一つました。
そして、ゆっくりゆっくり起き上ってくると・・・突然、
♪たらりとら~ てろりとろ~ たらりとら~ てろりとろ~
たらたらてろてろ くるりんとん
てろてろたらたら とんくるりん
へにゃらっちゃ はぁ ほにゃらっちゃ ほぅ
ぴんぱら ぱらぱら ぷるるんる~ん
ぴんぱら ぱらぱら ぷるるんる~ん
ぐるぐる こきこき ぷらぷら だらり~~ん
ぐるぐる こきこき ぷらぷら だらり~~ん
ちょっち ちょっち びろろ~~ん
ちょっち ちょっち びろろ~~ん
すぅい~~はぁ すぅい~~ほう
すぅい~~はぁ すぅい~~ほう
むんむんむんむん どっかぁあ~~ん♪
・・・とまあ、
踊りのような体操のようなおまじないのような訳の解らない
ちんぷんかんぷんな、けれど終わると身体中が
すっきりシャキーンとなっている不思議なことをやりました。
それから狼は大きく深呼吸をすると、
「ふぁあああ~~ああ」
と大きなあくびをしながら思いっきり体を伸ばしました。
「まだ焼イモ大会には早過ぎるなぁ。
お昼からだもんなぁ。
時間たっぷりあるよなぁ。
この陽だまりで、ちょこっと横になろう・・・
すぅー すぅー すぅー」
おやおや、もう眠ってしまいました。
幸せいっぱいの深いふかい眠りでした。
すっかり眠り込んでいた狼さんの耳に誰かの声が聞こえました。
「おーかみさーん。
おきてくださーい。
もう、いぃーよ。やきいもたいかいですよ。
きてくださーい。」
というブェ四朗とブウ子の誘い声で目が覚めました。
~つづく~
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