第7話 5ひきの仔豚と狼の食った・眠った・遊んだ (2/4回)

どんぽのばぶ

2014年05月28日 00:00

ばぶさん童話  新シリーズ『5ひきの仔豚とオオカミ』集より      創作メモ ◆5ひきの仔豚と狼の名前と性格 長男ぶた……ブァ太郎・・・のんびり屋・気は優しい・まとめ役 二男ぶた……ブィ次郎・・・めざとい・アイデアマン 三男ぶた……ブゥ三郎・・・理屈っぽい・思慮深い 四男ぶた……ブェ四朗・・・ちょっとあまえんぼ・まけずぎらい 末妹ぶた……ブウ子・・・・しっかりもの、がんばりや  オオカミ……のうてんき、ばかちから、いつでもポジティブ、        焚火の火おこし 焼いも大会の会場に着くとブァ太郎とブィ次郎が 焚き火の準備でさっきからさかんにもめています。 そのすぐ隣りでブゥ三郎が腕組みしながら 二人のやり取りを聞いています。 ブァ太郎が火をつけましたが その火はちっとも全体に燃え広がりません。 ブィ次郎がじれったそうに甲高い声で言いました。 「ぶぁたろうにいさんちがうよ、こっちからやるんだよ」 「いいんだよ、こっちのほうがあってるの、ほら、みてごらん。」 くすぶっているうちにチョロリと小さな焔が焚火の中に 恥ずかしそうに立ちました。 ブァ太郎が自慢そうににっこりしました。 けれどもその途端、その焔は消えてしまいました。 「だめじゃん。 だめじゃん。  だめじゃん。 ねえ、いっぺんでいいからこっちからやってみてよ。」 「あのさー。やっぱりふたりとも、ちがうんじゃないの」 「ぶぅさぶろう。だったらきみがやってごらんよ」 と、ブィ次郎とブァ太郎が声を荒げて一斉に言いました。 もう焚き火の火はすっかり消えています。 ブゥ三郎はどうして良いのか困って頭をポリポリ掻きました。 白い煙がうっすらとやる気なさそうに揺らいでいます。 「どしたい。ちびっこども。 ははん、焚き火がうまいことおきないんだな。 よーし。ここはいちばん、おいらにまぁーかせなさい。」 やるとなったら結構マメで働き者の狼さんです。 ブァ太郎とブィ次郎が仕込んでいた焚き火用の木の山を 殆どとり崩して外側に引っ張り出してしまいました。 太い薪を短く切ったり、半分に割って立て掛けたりすると、 こんどは細い枯枝をすき間に入れて空気の通り道を作り、 そして、火をつけました。 小さな焔は永い眠りからぱっと目覚めたように たちまち焚火全体に燃え広がりました。 実に鮮やかな火おこしです。 太い木がほどよく熾火になった頃 焚き火の山全体におとといまで集めておいた沢山の落ち葉を ばらばらとおおいかぶしました。 まるで落ち葉のお布団です。 一旦焔は姿を隠しましたが、今度はやる気満々の白い煙が もこもことノロシのように出てきます。 狼は頃合いを見てイモを中に入れました。 これから暫くの間イモを蒸し焼きにするのです。 「ちょっとばっかり時間があるな。 おーい。ちびっこどもおいらのまねっこでっきるっかな? ♪たらりとら~ てろりとろ~ たらりとら~ てろりとろ~   たらたらてろてろ くるりんとん    てろてろたらたら とんくるりん   へにゃらっちゃ はぁ ほにゃらっちゃ ほぅ    ぴんぱら ぱらぱら ぷるるんる~ん    ぴんぱら ぱらぱら ぷるるんる~ん   ぐるぐる こきこき ぷらぷら だらり~~ん   ぐるぐる こきこき ぷらぷら だらり~~ん   ちょっち ちょっち びろろ~~ん    ちょっち ちょっち びろろ~~ん   すぅい~~はぁ すぅい~~ほう   すぅい~~はぁ すぅい~~ほう    う~~ん どっかぁあ~~ん♪」 みんなは踊りのような体操のような 訳の解らないちんぷんかんぷんな、  けれど終わると身体中がすっきりシャキーンとなっている 不思議なことをやりました。   するともっと不思議なことがおこっていました。 焚火の中の焼イモが見事に焼き上がっていたのです。 「いった だっき まーす」 みんなはハフハフ言いながら美味しく焼イモを食べました。 食べて 食べて 食べました。                                                            ~つづく~

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