第7話 5ひきの仔豚と狼の食った・眠った・遊んだ(4回最終回) 

どんぽのばぶ

2014年05月29日 21:58

ばぶさん童話  新シリーズ『5ひきの仔豚とオオカミ』集より      創作メモ ◆5ひきの仔豚と狼の名前と性格   長男ぶた……ブァ太郎・・・のんびり屋・気は優しい・まとめ役   二男ぶた……ブィ次郎・・・めざとい・アイデアマン   三男ぶた……ブゥ三郎・・・理屈っぽい・思慮深い   四男ぶた……ブェ四朗・・・ちょっとあまえんぼ・まけずぎらい   末妹ぶた……ブウ子・・・・しっかりもの、がんばりや    オオカミ……のうてんき、ばかちから、いつでもポジティブ、     「たからだよ。ほうせきのダイヤモンド」 ブァ太郎はそう言いながらしっかり握っていたてのひらを 狼の眼の前に突き出しました。 そしてその手をぱっと広げました。 ブァ太郎のてのひらの上でドングリが一粒コロンと転げました。 「これ、どんぐりじゃん」 「いいの、うそんこにダイヤモンドなの」 「ふ~~ん。まぁいいや。 それにしても何だかピリッとしてない『ドロケイ』だな。」 「どういうこと?」5匹の仔豚は狼の周りに集まってきました。 「つまりな、気迫と緊張感が足りないってぇの」 「なあにそれ?」 「泥棒と警察の戦いなんだろう。 だったらさ、ぜったい泥棒をつかまえてやるぞという警察と ぜったい宝物を奪って見せるっていう泥棒の 気持ちが足りないってことさ ・・・よし、わかった。おいらもドロケイの仲間に入れてくれ」 「いいよ」 5ひきの仔豚はそろって元気に答えました。 そしてブァ太郎が 「それじゃあ、さっそくはじめよう」というと、 「ぼくらどろぼう」と5ひきの仔豚が 「おいらどろぼう」と狼が 同時にいいました。 「だめじゃん。どっちかが、どっちかにならないと ドロケイあそびにならないよ」 「しょうがねぇなぁ。おいら、警察やっか」 「わーい。どろぼう どろぼう どろぼう」 5ひきの仔豚は飛び上がって喜びました。                                        狼が警察になると 狼は石の上に乗っかると大きな声で10数えて 「もー、いーい・かい」 「もー・いい・よ」 5ひきの仔豚は答えました。 ♪じゃじゃ じゃ~~ん。  でーんで でんでん。で~んど・でぃど・でぃど。  で~んで でぃど・でぃ~~~ん。じゅわっち! ♪ 狼はなんだかちんぷんかんぷんな鼻歌を歌いながら、 たちまち5匹の仔豚を捕まえてしまいました。 「でへぇ。第1回戦。おいらの 勝ち~~ぃ。」 「第2回戦。おいらの勝ち~~ぃい。」 「第3回せーん。はじめようぜぇ!」 「ちょっとまってよ。おおかみさん。」 「なんかずるいよ。」 「ずるかない。ずるかない。」 「だって・・・」 「『だって』…何だい?」 「だって、おおかみさんかけっこはやいんだもん。 だからぼくたちみーんな、すぐつかまっちゃうんだよ。 もっと、ゆっくりおいかけてよ」 「だめ、だめ、だーめ。 あそびは本気で真剣にやらないとつまらないの なんでみんなしてひとかたまりになっておんなじ方に逃げるの?」 「だって、こわいんだもん。」 「こわかない、こわかない。 『俺達は世界一の大泥棒様よ』って思ってやらなくちゃ。」 そこで5ひきの仔豚は円陣を組んで作戦会議をしました。 「きーまった。」 というなり5ひきの仔豚は横一列に並んで歌い出しました。 結構見事なアカペラのコーラスでした。 ♪ お・れ・たぁ~ちは デュヮ デュヮ   お・れ・たぁ~ちは デュヮ デュヮ~~ア   なく・こも・だまぁ~る なく・こも・だまぁ~る   せかーい いっちのどろぼうさまよ ボ・ボン・ボン・ボン   ブァブィブゥブェブウ―コ ブァブィブゥブェブウ―コ   ブァブィブゥブェブァブィブゥブェ・ブウ~~~コ オウ♪   「ぜったいかつぞ。えい・えい・おー。 だい3かいせんはじめ」 まるで見違えるようになった5ひきの仔豚。 あっというまに警察の守っている宝を奪って逃げました。 「わーい、わーい、たからをとったぞぉ。いぇい いぇい」 「しょうりのおどりだ。ほっほほっほほー。いぇいえい」 こんどは5ひきの仔豚たちが全員で思い思いに へんてこりんなダンスを踊りまくりました。 喜びが大きいからでしょうか結構踊り方が様になっています。 それから5ひきの仔豚たちは嬉しくってハイタッチをしました。 第四回戦も仔豚たちの勝ちでした。 そのあと狼が泥棒になって仔豚たちが警察になりました。 それからまた仔豚が泥棒になって狼が警察になって 5ひきの仔豚と狼は暗くなるまで 遊んで 遊んで 遊びほうけました。 ~第1巻 第7話 お・し・ま・い ~

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