5夜連続 パコージャパトロール隊物語 ①『 いっせーのせっ』 (2/5回)
いっせーのせっ
2 みはらしとうげ
『こちら救援ヘリコプターブロック1号機
こちら救援ヘリコプターブロック1号機です。
バルちゃんガンちゃん、只今、助けに来ました。
応答願います。どうぞ ピッ』
『こちらパトロール隊のバルちゃんとガンちゃんです。
もう少しで坂道を落っこちそうです。
いそいで助けてください。プイプイ。』
『こちら救援ヘリコプターブロック1号機
こちら救援ヘリコプターブロック1号機。
今から救援ロープをおろします。
しっかりつかまってください。どうぞ ピッ。』
『了解しました。』
『ロープが届きました。
バルちゃんとガンちゃんもいっぱいがんばりまぁす。
ヘリコプターブロックさん ひっぱってください プイプイ。』
ヘリコプターブロックの応援でバルちゃんとガンちゃんは
ニノウデ急坂を登りきることができました。
「ありがとうヘリコプターブロックさん、
無事に見晴らし峠に着きました。」
「バルちゃん、ガンちゃん どうぞ気をつけていってきてください。」
ヘリコプターブロック1号機はパコージャ本部に帰っていきました。
「ガンちゃん、ここから頂上までは鎖の梯子段ね。」
「バルちゃん、くたびれていないかい?」
「ええ、大丈夫よ。」
「それじゃあ、元気でよじ登ろう。」
よいしょ、よいしょ、よいしょ、よいしょ。
「わーい、ついたぞ。」
おでこに流れる汗を気持のいい風が撫でて行きました。
きょうは特別いい天気です。
「わーい、いいながめ。
本当だわ、ニソワイジュ村が隅から隅までぜ~んぶ見える。」
『こちらパトロール隊のバルちゃんとガンちゃんです。
無事にホアンニイ山の頂上に着きました。
パコージュ本部どうぞ プイプイ。』
『こちらパコージュ本部 無事到着了解しました。
けがに気をつけて安全に捜索を続けてください。
どうぞ ピッ。』
二人はポケットからラウンドスコープブロックを取り出すと
村中を調べ始めました。
「えーと、あそこがトビカペ小学校だから、
道路のこっち側がトビカペ保育園ね。」
「トビカペ神社の杜があそこだから・・・パコージュ本部はその隣。」
「わっ」とガンちゃんが叫ぶと同時に
「あららら」っとバルちゃんも叫びました。
パコージュ本部の東側のあらちゃん森と
パコージュ本部の西側のそいちゃん森から
何やらうす黒い煙が一本ずつモヤモヤと空に向かってのびています。
細いほそい煙ですが、その二つの煙は
空の高い処でまるでにらめくらのようにしています。
とってもおっかないかおをしている煙と煙は睨みあってびくともしません。
「ねえ、ガンちゃん、
確かあらちゃん森には泥べちゃ道が
森の奥の奥のほうまで続いていたわよね。」
「そうだよ、泥んこべちゃべちゃのとっても歩きにくい道だよ。」
「まいちゃんブロックはきっとあらちゃん森の奥にいるはずよ。
だって煙がくねくねしているから。」
「ねえ、ガンちゃん、
そいちゃん森にはヤヤコシの小道が
森の奥の奥まで続いていたかしら。」
「ああ、ヤヤコシの小道は道が細いだけじゃなくて、
へそまがり迷路みたいにこんがらがっているんだよ。」
「ごんちゃんブロックはきっとそいちゃん森の奥にいるはずよ。
だって煙があんなにもこもこしているんだもの。」
~つづく~
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