5夜連続 パコージャパトロール隊物語 ① 『いっせーのせっ』 (4/5回)

いっせーのせっ     4 蜘蛛の糸のいっぽん橋 まいちゃんブロックを助け出そうとしてグライダーブロックを 操縦していたバルちゃんが突然『ああ~ぁ』と言いました。 そのすぐあとです。 ごうちゃんブロックを助け出そうとしてグライダーブロックを 操縦していたガンちゃんも『ららららら~』と言いました。 なんと、バルちゃんとガンちゃんのグライダーは 蜘蛛の巣に引っ掛かってビヨヨヨォ~~ンと揺れました。 ゆっさゆっさゆっさと蜘蛛の巣が揺れました。 みると大きなジョロウグモのお姉さんがやって来ました。 バルちゃんとガンちゃんは『あらららら~~~』 と二人一緒に叫んで気を失ってしまいました。 「ちょっと、あんたたち。 ちょっと、起きてよ。ちょっとったら。」 バルちゃんとガンちゃんは ジョロウグモのお姉さんに揺り起こされ眼を覚ましました。 「あたしがゆうべからたっぷり腕に撚りをかけて 今朝、やっと出来上がった世界一美しい蜘蛛の巣よ。 記念の写真を撮ろうとカメラを取りにちょっと留守をしただけなのにぃ。 どうしてくれんのよ。 みてよ、ほら、もう穴だらけじゃないの。」 ジョロウグモのお姉さんはブリブリ怒って 蜘蛛の巣をわっさわっさと揺すりました。 バルちゃんとガンちゃんは目が回りそうになって 「きゃ~」「わ~」と言いました。 ジョロウグモのお姉さんはまだまだ怒りがおさまりません。 なぜなら、今まで作った蛛の巣の中で今日のが一番うまくできたのに、 しかもその記念写真の一枚も残せないうちに壊されてしまったのです。 力いっぱい怒りまくっています。 お姉さんは目いっぱい蜘蛛の巣をゆっさゆっさ、わっさわっさと揺すり 「これでもか、これでもかぁ」と力の限りに揺すりました。 大きくおおきく揺らされているうちにバルちゃんとガンちゃんは なんだかとっても楽しい気分になって嬉しくて堪らなくなってきました。 とうとう「キャッキャッキャッ」「ゲラゲラゲラ」と大笑いしました。 その笑い声があんまり楽しそうなのでジョロウグモのお姉さんも なんだかつられて「だはははは」と大笑いしました。 「キャー。お姉さん最高。すてき、大好き」 バルちゃんとガンちゃんは、 ぱちぱちぱちぱちぱちと手のひらが痛くなるほど拍手しました。 「だははは。あら、あたしってそんなにすてき?」 「こんなに楽しい蜘蛛の糸なら どんな怒りんぼでもきっと楽しくなってしまうよ。ね、バルちゃん」 「うん、ぜったいよ。」 その時バルちゃんとガンちゃんの頭の中に ビビビッと素晴らしいアイデアが電気のように走り抜けました。 そして二人は一斉に 「くものいとはし!」といいました。 「なにそれ?なんのこと?」 「お姉さんお願いしたいことがあるんだけれど…、 でも、ちょっと無理かなぁ」 「なにさ、さっさといってごらん」 「あのね、あらちゃん森のてっぺんからそいちゃん森のてっぺんまで 蜘蛛の糸でいっぽん橋をかけてほしいんだけれど」 「何だと思ったらそんなこと、…で、いつやるの?」 「今すぐなんて…、超無理過ぎるかなぁ」 「ちゃらよ ちゃら、へいちゃらのちゃら」                            ~つづく~ 


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