おうちごっこ
「おうちごっこしようか。」
「うん、おうちごっこしよう。」
「ここげんかんね」
とまいちゃんがいいました。
「こっちがげんかん」
としゅうちゃんがいいました。
「ちがう。ここがげんかん。」
「こっちのがげんかん」
「うるさい、ぷんぷん」
とまいちゃんが腰に手を当てていいました。
「うるさくなーい、ぷんぷんのぷん」
としゅうちゃんが腕組みしていいました。
二人はにらみ合いです。
「も~~ぅ」っとまいちゃん。
「ったくぅー」っとしゅうちゃん。
ふたりはにらみながら言葉を探しています。
「もう、うるさいったらうるさーい。もぅーう」
「わん、うるさくないったらうるさくなーい、わんわん」
「そこのモウモウ牛さんとワンワン犬くん。
すこし『うるさい』でございます。」
とママが言いました。
ふたりはママの顔を見て、
それからまたお互いの顔を見ると
「ぷっ」と吹き出しました。
「あはぁ、うるさいでございますだって」
「ございますだって、なんかへんだね」
と、いってわはわはわはわは笑いました。
「ところでしゅうちゃんまいちゃん、お風呂場はどこですか?」
「ここ」
二人は同時に同じところを指さしました。
「あはぁ、おんなじだね。」「そうだね」
「じゃあ二人ともお風呂に入ってらっしゃいな。
ママ、新しいシャンプー買ってきたから。はいどうぞ。」
と、うそんこのシャンプーボトルを
まいちゃんとしゅうちゃんにそれぞれ渡すまねをしました。
「わ~。おはなのいいにおいがするシャンプー」
「くんくん。ぼくのは かいじゅうのにおいのシャンプーだ」
「かいじゅうのにおい?へんなシャンプー」
「いいんだよ。ぼくかいじゅうだいすきだから。」
ふたりはシャンプーするまねと
シャワーで泡ブクブクの髪をすすぐまねをしました。
「あっ、あぶくがめにはいっちゃったよー、
まいちゃーん、とってぇー。」
「じっとしていて、いまシャワーでとってあげるから」
「お風呂から出たら、タオルで髪の毛よく拭くのよ。」
二人はタオルで髪の毛を拭くまねを丁寧にしました。
「あら、もうこんな時間。今日のおやつはプリンとおみかんよ。」
さっきの喧嘩もシャワーで洗い落とせたみたいです。
「いっただきまーす。」
~お・し・まい~
※前回から12回連続「もっとみじっかいばぶさん童話」です。名づけて『短短童話』どうぞよろしく。