12の短短童話  その1  「いじわるいじわる」

いじわる いじわる  
びいちゃんがいいました
「いじわるするひとこのゆびとーまれ
はーやくしないときれちゃうよ。
ろーそくいっぽんきーれた。ゆびきった。」
ところが誰もこの指に留まってくれません。
「なんだい。だーれもこのゆびとまってくんないじゃん。
みんな『いじわる―』あっかんべぇーだ。ぷんぷん。
いいよ。もう、どっかいっちゃうから。」
びいちゃんがぷんぷんおこってどんどんいくと・・・
おんなじことを言っているしいちゃんがいました。
「いじわるするひとこのゆびとーまれ
はーやくしないときれちゃうよ。」
「わーいわーい。ぼくとーまる。」
びいちゃんがその指にあともう少しでとまれそうになったとき
しいちゃんたら言うんです。
「ろーそくいっぽんきーれた。きれちゃったもんねー。
ゆびきったからとまれません。ざんねんでしたー。」
そのときえいちゃんが大急ぎでやって来て言いました。
「ぼくとーまる。ぜったいとまる。」
「だめ~~。もうろーそくいっぽんきれました。」
しいちゃんはとってもいじわるそうにいいました。
「なんだいけちんぼ、いじわる。もうあそんでなんかやんないから。」
びいちゃんとえいちゃんがふたりそろって
「ぷりぷりぷーり、ぷりぷりぷーり。」
おこってどんどんいくと・・・。
またまたおんなじことを言っているでぃちゃんがいました。
「いじわるするひとこのゆびとーまれ
はーやくしないときれちゃうよ。」
「わーいわーい、わーい。」
すぐそばまでいったのにびいちゃんもえいちゃんも
両手を背中に回してにやにやしています。
でぃちゃんがだんだん大きな声になって言いました。
「はーやくしないときれちゃうよ。
はーやくしないときれちゃうよ。
はーやくしないとほんとうにきれちゃうよ。
・・・ろーそくいっぽんきーれた。
ゆびきった。あーあ、きれちゃった。
なんでこのゆびにとまってくんないのさ。」
でぃちゃんはぶりぶり怒ってききました。 
「だって、・・・」
「だってなにさ?」
「だって、ねー。ねーだもんね。」
びいちゃんとえいちゃんは顔を見合わせて笑いました。
「だって、いじわるしてんだもん。へっへっへのへー」
「いじわるぅ~~~う」               
                          ~お・し・まい~
※今回から12回もっとみじっかいばぶさん童話です。名づけて『短短童話』どうぞよろしく。


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